トムのロンドンだより

2005年7月号
   
7月、何とも悲しい事件が起きてしまいました。ロン ドン中心部で起きた同時多発テロは、
あまりにも大きな傷跡を残しました。犠牲者は50名を数え、ニュースから聞こえる悲しい叫び声が
途絶えることはありませんでした。
事件の翌週、献花のためキングス・クロス駅を訪れました。そこで見た光景を思うと、
今でも涙が止まりません。多くの花束に囲まれた犠牲者の遺品の数々、
今でも探し続けている行方不明者の写真。精一杯に絞り出した微かなメッセージ、Bless you!!。
本当に、二度とこのようなことを繰り返してほしくないです。憎しみからは何も生まれません。
犠牲者の冥福を心よりお祈りします。


セント・ポール大聖堂

ギルドホール

さて、今月はテムズ川に沿って、東へ東へと歩いてみました。
ビッグ・ベンから歩くこと約20分、セント・ポール大聖堂に着きます。
あまりの大きさに、近くからでは見渡すことができません。
対岸から、ようやく全体を捉えることができる大きさです。
1666年のロンドン大火災の後、このようなルネッサンス様式の大聖堂に生まれ変わったそうです。
大聖堂からしばらく東に歩くと、ギルドホールがあります。昔は裁判所としても使われており、
ロンドン塔で処刑された「9日間の女王」も、ここで判決を受けました。    


タワー・ブリッジ

さらに東へ行くと、ロンドン橋や大火記念塔があります。
大火記念塔はその名の通り、ロンドン大火災を忘れないようにという願いから建てられた塔です。
311段のらせん階段の先には、ロンドン市内を一望できる展望台があります。
ここからちょうどタワー・ブリッジを見ることが出来ました。
かつては一日に50回も上がっていた跳ね橋も、今では週に3回程度だそうです。


ロンドン塔01

ロンドン塔02

タワー・ブリッジの脇には、ロンドン塔があります。
ロンドン塔は、ウィリアム征服王がロンドンを守るために設計した要塞が始まりでしたが、
牢獄として使われた歴史の方が長かったため、暗いイメージの方が強いかもしれません。
塔の内部にも、「Bloody Tower」や「Traitors Gate」といった、恐ろしい標札をいくつか
見ることができます。


プロムス@ロイヤル・アルバート・ホール

さて、7月と言えばやはり「プロムス」ですね。
ついにクラシック音楽の祭典が始まりました。しかも、会場は何とも嬉しいことに、インペリアル・カレッジの
すぐ隣のロイヤル・アルバート・ホールです。ですので、当日券も余裕で買えてしまうわけです。
そもそも、あまり裕福でない人たちにも良質なコンサートを、という願いから始められたこともあって、
当日券の値段はなんと4ポンド(約800円)です。これは奇跡です。
ロンドンの物価は本当に高くて、例えば、家から大学までの地下鉄4駅の往復券が4.6ポンド(約920円)
なのですから。7月半ばから9月半ばにかけて、イギリスはもとより、ヨーロッパ中からプロの演奏家が
集まります。
今年の目玉は、ロイヤル・コンセルトヘボーとウィーン・フィルでしょうか。嬉しい限りですね。




今月に聴いた主なコンサート

ブリテン:シンプル・シンフォニー

ブルッフ:バイオリン協奏曲第1番

グリーク:ホルベルク組曲

メンデルスゾーン:序曲「ヘブリディーズ諸島」(フィンガルの洞窟)

ヴォーン・ウィリアムズ:海の交響曲(交響曲第1番)